公開日: 2026年10月19日
ジュベルック(PDLLA)とは?ポリ乳酸が肌に働く仕組みを医師が解説
目次
ジュベルックという名前を耳にして、あるいはPDLLAという略号を目にして、どのような施術なのか気になっておられる方は少なくないと思います。注入する施術ではあるものの、ヒアルロン酸のようにへこみを内側から補うものとは目的が異なり、受けた直後に仕上がりが決まるわけでもありません。そのぶん、性質を知らないまま受けると期待とのずれが生まれやすい施術でもあります。
この方向の中心にあるのは、ポリ乳酸という素材が微細な粒子として一定期間その場に留まり、そのあいだ皮膚の側に反応を促し続けるという設計です。この記事では、その仕組みがなぜ「時間をかけて評価する施術」につながるのかを整理し、あわせて「留まる」という性質から生まれる置き方の原則についてもお伝えします。
ジュベルック(PDLLA)とは何を注入する施術か
ジュベルックは、PDLLA(ポリ乳酸の一種)の微細な粒子を、水分を保つ成分とともに皮膚へ注入する製剤の名称です。ポリ乳酸は医療の場で長く使われてきた素材で、体内で分解され吸収されていく性質を持っています。この方向でいちばん大切なのは、注入したものが厚みとなって形を変えることを目的としていないという点です。
ポリ乳酸という素材の三つの性質
この素材の振る舞いは、次の三つに整理できます。この三つが揃ってはじめて、この施術の性格が見えてきます。
- 性質1|体内で分解され、最終的には吸収されていく…永久に残る素材ではありません。ただし分解にかかる期間は数か月から一年前後とされ、水に溶ける成分よりはるかに長くとどまります
- 性質2|微細な粒子として、その場に留まる…液体として広がって消えるのではなく、粒子という形で置かれた層にとどまります。これがこの素材のもっとも大きな特徴です
- 性質3|留まっているあいだ、皮膚の側に反応を促し続ける…粒子が異物として認識されることで、その周囲で皮膚自身がコラーゲンを作る働きが促されると考えられています
「留まる」ことが、この方向の設計そのものである
ここがこの記事でもっともお伝えしたいところです。ポリ乳酸を用いた注入は、注入した素材そのものが結果をつくるのではなく、その素材が置かれた場所で皮膚の側が働くことによって結果が生まれる設計になっています。そして粒子が数か月にわたって留まるということは、その反応が長い期間にわたって続くということでもあります。
この構造から、ふたつのことが導かれます。ひとつは、変化が現れるまでに時間がかかるのは性質上そうなっているのであって、働きが弱いということではないということ。もうひとつは、置いた直後に見えている膨らみは、水分と一時的な反応によるものであって、後の変化の大きさを示すものではないということです。施術台から起き上がった瞬間を評価の起点にしてしまうと、この方向はほぼ確実に期待とずれます。
「留まる」ことの裏側には制約がある
一定期間留まるという性質は、利点であると同時に制約でもあります。置いたあとに取り出したり、薬剤で溶かしたりすることができないためです。ヒアルロン酸であれば分解する薬剤という選択肢がありますが、ポリ乳酸にはそれが当てはまりません。だからこの方向では、量・深さ・分散といった置き方の慎重さが、他のどの方向よりも強く求められます。
初回から最大の量を用いず、少なめから始めて手応えを確かめるという順序が勧められるのは、こうした理由によるものです。足りなければあとから足すことができますが、多かった場合に引き算をする手立てが限られている、という非対称があります。
期待できる働きと、向けられる部位
皮膚そのものの厚みや質感に働きかける方向ですので、面としての変化を求める部位に向きます。部位ごとの考え方をご紹介します。
頬・こめかみ
面としての広さがあり、皮膚にも一定の厚みがあるため、この方向でもっとも扱いやすい部位です。皮膚そのもののきめや張りの感覚に向けて、範囲全体へ分散させて置いていきます。ただし「頬のボリュームが落ちてへこんで見える」という状態は、厚みで補う注入の領分であり、この方向とは目的が異なります。ご相談の際は、質感の話なのか、ボリュームの話なのかを分けておくと行き違いが起きにくくなります。
口もと・あごまわり
表情の動きが大きく、一日のうちに何度も皮膚が伸び縮みする部位です。皮膚の質感に向けて用いることはできますが、動きが多いぶん、置き方の分散に配慮が必要になります。深く刻まれた線そのものを埋める目的には向かないため、その場合は別の方向を検討することになります。
首・手の甲
お顔とあわせてご相談いただくことが増えている範囲です。いずれも皮膚が薄く、日常的に外気にさらされます。皮膚が薄い場所は、粒子を含む素材を浅い層へまとめて置くと硬さとして触れやすくなるため、深さと分散の設計がとくに大切になります。適応となるかどうかも含めて、診察で確認いたします。
この方向では扱いにくいもの
- 皮膚の下で支えている組織の低下によるゆるみ(輪郭がぼやけて見える状態)
- へこみとして不足しているボリューム(厚みで補う注入の領分です)
- シミや色ムラなど、色そのものが気になっている状態
- 盛り上がったかたちのニキビ跡(真皮のコラーゲン産生を促す方向とは進む向きが逆になります)
なお毛穴の見え方や、へこんだかたちで残ったニキビ跡に対してこの方向がどこまで向くのかという線引きは、別の記事で詳しくご説明する予定です。この記事では素材そのものの性質に絞ってお伝えしています。
メリット・デメリット
「粒子として留まる」という性質から生まれる利点と、その裏側にある留意点を整理します。
- 粒子が数か月にわたって留まるため、一度の施術に対して働きかける期間が長くなります
- 水に溶ける成分よりも通院の間隔を広く置けるため、忙しい時期にも組み込みやすくなります
- 皮膚そのものの質感に向けた方向であるため、顔の形を変える施術に抵抗がある方にも検討しやすくなります
- 医療の場で長く用いられてきた素材であり、最終的には分解吸収されていきます
- お顔以外の範囲(首・手の甲)にも同じ考え方で検討できます
一方で、次の点は受ける前に知っておいていただきたいところです。
- 変化が現れるまでに時間がかかり、評価に適した時期に達するのは数か月先になります
- 置いたあとに取り出したり溶かしたりする手立てが限られています
- 粒子を含むため、皮膚の薄い部位に浅くまとめて置くと硬さとして触れることがあります
- 期待する働きと、行きすぎたときの硬さは、同じ仕組みの両側面にあたります
- 形やボリュームを補う目的には向かないため、目的が違えば別の方向を選ぶ必要があります
費用を抑えた案内をご覧になった場合は、一回に用いる量と、置く深さについて説明があるかをご確認ください。この方向はあとから引き算をしにくいという性質があるため、量と深さの説明が省かれた案内は、価格の安さ以上に注意すべき点だと考えています。
施術の流れ
ステップ1|目的が「質感」か「形」かを分ける
診察でまず確認するのは、気になっているのが皮膚そのものの質感なのか、それともへこみやボリュームという形の問題なのかという点です。ここが分かれると、この方向が適しているかどうかもほぼ決まります。形の問題であれば、別の方向をご提案します。
ステップ2|量と深さを、控えめな設定から決める
この工程がこの施術の要です。あとから引き算をしにくい素材であるため、初回は控えめな量から始め、次回で足すという組み方を基本にします。あわせて、どの層に置くのか、皮膚の薄い部位ではどう変えるのかまで確認しておきます。量だけが示され、深さの説明がない計画は、この方向では不十分だとお考えください。
ステップ3|評価する日を、施術より先に決める
変化が現れるまでに時間がかかる方向であるからこそ、いつ確かめるのかを先に決めておきます。同時に、同じ条件で記録を残します。この二つが揃っていないと、数か月後に「変わったのか分からない」という状態になりかねません。
ステップ4|施術(麻酔から注入まで)
洗顔のあと表面麻酔をご用意し、決めた層へ細かく分散させながら注入していきます。一か所に粒子が集まらないよう範囲全体へ配分することが、この素材を扱うときの要です。お顔だけの範囲であれば、麻酔を待つ時間を含めて一時間前後が目安になります。
ステップ5|次の回で、量と深さを調整する
次の来院では、前回の反応の出方を伺って量と深さを調整します。硬さとして触れる部分があれば、その場所は避けるか置き方を変えます。控えめから始める設計は、この調整の余地を残しておくためのものです。
ダウンタイム・副作用・注意点
施術の当日から数日のあいだは、針を通した跡、細かな赤み、注入した部分の一時的な膨らみが見られることがあります。内出血が生じた場合は一週間から二週間ほど色の変化が残ることがあります。多くの場合、翌日からのお化粧や通常のご予定に差し支えありません。当日は注入した範囲をこすらないようにお過ごしください。
「留まる」ことから生まれる三つの注意点
この方向に固有の注意点は、素材が留まるという性質から素直に導かれます。
- 注意点1|あとから引き算をしにくい…薬剤で分解するという手立てがヒアルロン酸のようには用いられません。だからこそ、初回の量は控えめに設定します
- 注意点2|浅い層へまとめて置くことを避ける…粒子が一か所に集まると、硬さとして触れる要因になり得ます。範囲全体への分散が前提になります
- 注意点3|皮膚が薄く動きの多い部位は慎重に扱う…目のまわりのようにごく薄い皮膚の部位では、適応そのものを含めて検討します
なお、硬さとして触れる部分が出てきた場合の見分け方と対応の考え方については、別の記事で詳しくご説明しています。触れはじめた時期と手触りによって扱いが変わりますので、次の施術を予約される前に一度ご相談ください。
早めにご相談いただきたい症状
- 痛みや赤みが日を追って強くなっていく場合
- 熱っぽさをともなう腫れが一か所に続く場合
- 数週間から数か月たってから、硬く動きにくいものが触れるようになった場合
- 皮膚の色が白く抜けた部分や、強い痛みをともなう変色が現れた場合(早急な受診が必要です)
- 注入した部分が、時間の経過とともに大きくなってきている場合
受けることを慎重に考えたい方
妊娠中・授乳中の方、注入する範囲に炎症や感染がある方、強い日焼けの直後の方、抗凝固薬を服用されている方、ケロイド体質の方、過去に注入した部分に硬さが残っている方は、適応と時期について診察でご相談ください。自己免疫の病気で治療中の方も、主治医の先生のご意見を確認したうえで判断します。
料金相場と「価値」の考え方
この方向の見積もりを比べるとき、金額そのものより先に確かめておきたいのは「その一回という表示に、何がどこまで含まれているか」です。同じ金額でも、含まれている量が違えば皮膚に届くものが変わり、麻酔や経過確認が別途であれば実際にかかる総額も変わります。下の表は、見積もりを受け取ったときに項目ごとに確かめるための一覧です。
| 確かめる項目 | 何を確かめるのか | 含まれる扱いの傾向 | 別途の場合の目安(税込) |
|---|---|---|---|
| 一回あたりの量 | 表示価格が何本分・何mL分か | 施術料に含まれる | 追加1本あたり約30,000〜70,000円 |
| 施術する範囲 | 「顔全体」がどこまでを含むか | 施設ごとに定義が異なる | 部位の追加で約20,000〜60,000円 |
| 置く深さの説明 | どの層に置くと説明されたか | 費用ではなく説明の有無 | ―(省かれていれば必ず確認を) |
| 表面麻酔 | 施術料に入っているか | 施設ごとに分かれる | 約2,000〜5,000円 |
| 同じ条件での記録 | 施術前の撮影があるか | 含まれることが多い | 約0〜5,000円 |
| 数か月後の確認の来院 | 評価の診察が含まれるか | 含まれないことが多い | 約0〜3,000円 |
※金額はいずれも税込の一般的な目安であり、当院の料金を示すものではありません。範囲・量・回数によって変わります。とくに「置く深さの説明があるか」は費用の項目ではありませんが、この方向ではもっとも確かめていただきたい点です。
製剤の「形」で四つの方向を比べる
肌の質に働きかける注入にはいくつかの方向があります。ここでは「製剤がどのような形で存在しているか」という規格の違いと、そこから生まれる置き方の制約という軸で並べます。この軸で見ると、ポリ乳酸を用いた注入がなぜ置き方の慎重さを求められるのかが分かりやすくなります。
| 項目 | ポリ乳酸を用いた注入 | 核酸を用いた注入 | 保水を目的としたヒアルロン酸 | ご自身の血液から作る注入 |
|---|---|---|---|---|
| 製剤の形 | 微細な粒子を含む液 | 粒子を含まない水溶性の液 | やわらかいゲル状 | 血液から分離した液状の成分 |
| その場にとどまる期間の目安 | 数か月〜1年前後 | 比較的短い | 数か月程度 | 短い |
| あとから取り出す・溶かす手立て | 限られる | 吸収を待つ形になる | 分解する薬剤の対象になる | 吸収を待つ形になる |
| 浅い層へまとめて置けるか | 避けたい(分散が前提) | 比較的扱いやすい | 量と層の設計次第 | 比較的扱いやすい |
| 皮膚の薄い部位での扱い | 慎重に検討する | 用いやすいとされる | 量を控えて検討する | 用いやすいとされる |
| 向く方 | 時間をかけて質感に向き合いたい方 | 薄い部位から始めたい方 | 乾きやつっぱりが気になる方 | 自分由来の成分を望まれる方 |
※いずれも一般的な傾向を整理したものであり、優劣を示すものではありません。製剤によって規格や扱いは異なります。実際に適しているかどうかは診察でご相談ください。
30代後半〜50代後半の方からよくいただくご不安
「顔つきが変わってしまわないでしょうか」
この方向は、注入したものが厚みとなって形を変えることを目的としていません。皮膚そのものの質感に向けて範囲全体へ分散させて置くため、輪郭の印象が大きく変わる性質の施術ではありません。逆に言えば、形の変化を望まれている場合はこの方向では期待に届きませんので、目的を先に分けておくことが大切です。
「翌日から人に会う予定がありますが大丈夫でしょうか」
針の跡と細かな赤みは、多くの場合お化粧で覆える程度に落ち着きます。ただし内出血が出た場合は覆いきれないことがあります。写真に残るご予定や、人と近い距離で会うご予定が控えている時期は、その日程を先にお知らせいただければ、範囲や日程の調整をご相談できます。
「一度入れたら取り出せないと聞いて不安です」
引き算がしにくいという点は、この素材の性質として確かにあります。だからこそ、初回は控えめな量から始め、範囲も絞り、次回で足していくという順序をご提案しています。永久に残る素材ではなく、時間をかけて分解吸収されていくという点も、あわせてお伝えしておきたいところです。
クリニック選びの基準
あとから引き算をしにくい素材を扱う施術だからこそ、次の点を確かめておくと安心して進められます。
- 気になっているのが「質感」か「形」かを、提案の前に確認してくれるか
- 一回に用いる量と、置く深さの両方を契約前に示してくれるか
- 初回を控えめな量から始めるという考え方を説明してくれるか
- 皮膚の薄い部位について、適応そのものを検討する姿勢があるか
- 硬さが残った場合の連絡先と診察の扱い(費用を含む)が分かるか
- 評価する時期を施術の前に決め、同じ条件で記録を残してくれるか
- この方向が向かない場合に、そのことを率直に伝えてくれるか
よくある質問(FAQ)
Q1. ジュベルックとPDLLAは同じものを指しているのですか。
PDLLAはポリ乳酸の一種を指す素材名で、ジュベルックはその素材を用いた製剤の名称です。つまり素材の名前と製品の名前という関係にあたります。検討の出発点としては、製品名より先に「ポリ乳酸を用いた注入という方向が合っているか」を考えていただくとよいと思います。
Q2. ヒアルロン酸注入とはどう違うのでしょうか。
目的が異なります。へこみや不足したボリュームを内側から補うことを目的とした注入に対し、こちらは皮膚そのものの質感に向けて、皮膚の側の働きを促す方向です。形を変えたいのか、質感を変えたいのかで選ぶ方向が分かれます。
Q3. 変化を感じられるのはいつごろですか。
粒子が留まりながら皮膚の側に働きかける設計であるため、評価に適した時期は数か月先になります。直後に見えている膨らみは水分と一時的な反応によるもので、後の変化を示すものではありません。施術より先に評価の日を決めておくことをおすすめしています。
Q4. 体内に残り続けることはありませんか。
ポリ乳酸は体内で分解され吸収されていく素材です。ただし分解には数か月から一年前後かかるとされ、水に溶ける成分よりはるかに長くとどまります。「永久に残らないが、すぐには消えない」という性質だとお考えください。
Q5. 入れすぎた場合は溶かしてもらえますか。
ヒアルロン酸に用いられる分解の薬剤は、ポリ乳酸には当てはまりません。手立てが限られるという点が、この方向の大きな留意点です。だからこそ初回は控えめな量から始め、次の回で足していくという順序を基本にしています。
Q6. 何回くらい受けるものですか。
一か月前後の間隔で数回を一区切りとする組み方が一般的です。ただし回数は範囲と一回あたりの量とセットで決まるものですので、数字だけを比べても目安にはなりにくいところです。診察では量と範囲もあわせてご確認ください。
Q7. 目のまわりにも受けられますか。
まぶたのようにごく薄い皮膚の部位は、粒子を含む素材の扱いに配慮が必要なため、適応そのものを含めて慎重に検討します。目もとの細かな線が気になる場合は、別の方向のほうが適していることもありますので、診察で見立てたうえでご提案します。
Q8. 硬さが出ると聞きましたが、どういうことでしょうか。
粒子が一か所に集まった場合や、皮膚の薄い部位へ浅くまとめて置いた場合に、硬さとして触れることがあります。成り立ちと対応の考え方は別の記事で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。触れはじめた時期と手触りによって扱いが変わります。
Q9. 他の施術と組み合わせられますか。
組み合わせが適している場合もありますが、同日に複数を行うと、どちらの反応かを切り分けにくくなります。とくに初めての一区切りのあいだは一つに絞っておくほうが判断しやすくなります。順序と間隔は診察でご相談ください。
Q10. 妊娠中・授乳中でも受けられますか。
妊娠中・授乳中は時期を改めていただくようご案内しています。急いで行う必要のある施術ではありませんので、落ち着かれてからご相談いただければ差し支えありません。
Q11. 50代から始めても期待できますか。
年齢で線を引くものではありません。ただし皮膚の下で支えている組織の低下によるゆるみが主因になっている場合は、この方向だけでは届きにくくなります。何が主になっているかを診察で見立てたうえで、方向を決めることが大切です。
Q12. 費用の安い案内を見つけたのですが、選んで差し支えないでしょうか。
金額そのものより、一回に用いる量と置く深さの説明があるかをご確認ください。この方向はあとから引き算をしにくいという性質があるため、量と深さが示されない案内は、価格以上に慎重に検討していただきたいところです。
まとめ
ジュベルックに用いられるPDLLA(ポリ乳酸)は、微細な粒子として一定期間その場に留まり、そのあいだ皮膚の側に反応を促し続ける設計の素材です。注入したものが厚みとなって形を変えるのではなく、皮膚自身の働きによって結果が生まれるため、変化が現れるまでに時間がかかります。これは働きが弱いということではなく、性質上そうなっているということです。
そして「留まる」という性質の裏側には、あとから取り出したり溶かしたりする手立てが限られるという制約があります。だからこの方向では、量・深さ・分散という置き方の慎重さが、他のどの方向よりも求められます。初回を控えめな量から始めて次の回で足していくという順序は、その制約から導かれた実務的な答えです。
当院ではジュベルック・オリディアをご用意しており、気になっているのが質感か形かという見立てから、量と深さの設計、評価する日の決め方までご一緒に整理してまいります。この方向が向かないと判断した場合は、その理由もあわせて率直にお伝えいたします。

