公開日: 2026年10月20日
凹んだニキビ跡と毛穴にジュベルックは向く?適応の線引きを医師が解説
目次
毛穴の開きや、ニキビが落ち着いたあとに残った凹み。どちらも「肌の表面にできた小さなくぼみ」という点では似ていますが、美容医療の現場では、この二つを同じものとして扱うことはありません。同じように見えるくぼみでも、その成り立ちによって向く方向がまったく変わってくるためです。
ポリ乳酸を用いた注入は、こうした凹凸のご相談に対して選ばれることのある方向のひとつです。ただし、すべての凹みに同じように向くわけではありません。この方向が働きかけているのは、実は凹みそのものではなく、凹みを取り囲んでいる面のほうです。この一点を押さえていただくと、ご自身の状態に向くかどうかの見当がつけやすくなります。
この記事では、毛穴とニキビ跡という二つのご相談に対して、ポリ乳酸を用いた注入が向く場合と向かない場合の線引きを整理してご説明します。ご自身で確かめておきたい点、先に別の手当てが必要になるケース、そして複数の方向を組み合わせる場合の順序まで、判断の材料としてお役立てください。
毛穴・ニキビ跡に対してこの方向が働きかけている場所
ポリ乳酸を用いた注入は、ジュベルックという製品名で知られている方向です。当院でもJuvelook/Olidiaという製剤をご用意しています。この方向がどのような仕組みで肌に働きかけるのかという基本的な説明は別の記事で扱っていますので、ここでは「毛穴とニキビ跡という具体的なご相談に対して、この方向は何をしているのか」という点に絞ってご説明します。
凹みを埋めているのではなく、周囲の面を整えている
多くの方が最初に想像されるのは、「くぼんでいる部分に何かを入れて、平らにする」というイメージだと思います。けれども、この方向で行われているのはそれとは異なります。ごく微細な粒子を含む製剤を、凹みの周囲を含む面全体にごく薄く分散させて置き、その粒子が留まっているあいだに皮膚の側の反応を促していく。その結果として、凹みを取り囲む面の厚みと密度が少しずつ変わり、凹みと周囲の落差がゆるやかになっていく――という働き方です。
この違いは、期待の持ち方に直接関わってきます。くぼみを内側から押し上げて埋める方向であれば、変化は施術のその場で確認できます。一方この方向では、面が変わるまでに時間がかかり、しかも「凹みが消える」のではなく「凹みの見え方が変わる」という形で現れます。目標を「くぼみがなくなること」に置くと、いつまでも到達しない目標を追うことになってしまいます。
私たちが凹凸を認識しているのは、深さではなく影
もうひとつ押さえておきたいのが、私たちが肌の凹凸を認識しているのは、深さそのものではなく、そこに落ちる影であるという点です。同じ深さのくぼみでも、光がまわりこめる形をしていれば目立ちにくく、光が入らない形をしていれば深く見えます。だからこそ、鏡を見る場所によって「今日は毛穴が気になる」「今日はそうでもない」と感じ方が変わります。
この方向が変えているのは、影の落ち方のほうです。凹みを囲む面に厚みと張りが戻ると、くぼみの縁がなだらかになり、影が浅くなります。深さそのものが測れるほど変わるわけではありませんが、見え方としては変化が現れる――というのが、この方向の性質です。
向く凹み・向かない凹みを分けている二つの条件
では、どのような凹みに向き、どのような凹みには向きにくいのでしょうか。判断を分けているのは、実は凹みの深さではありません。深い凹みでも変化が認識されることがあり、浅い凹みでもほとんど変わらないことがあります。分けているのは次の二つです。
条件1|凹みの縁が、なだらかに傾いているか
凹みの縁が周囲の面からなだらかに下っている形であれば、周囲の面が厚みを増したときに、その傾斜がさらにゆるやかになります。影は浅くなり、見え方が変わりやすくなります。反対に、縁が壁のように垂直に切り立っている形の凹みでは、周囲がいくら厚くなっても壁の角度が変わらないため、影の落ち方があまり変わりません。
毛穴のご相談では、頬の毛穴が縦方向に伸びて見えるという状態がしばしば挙がります。この状態は、毛穴そのものが大きくなったというより、毛穴を取り囲んでいる面の支えが落ちて、開口部が引き伸ばされていることが背景にあることが多いとされます。縁がなだらかに傾いている状態にあたるため、面に働きかける方向とは相性が比較的よい部分です。
条件2|凹みの底が、硬い線維で引き込まれていないか
もうひとつの条件が、底の状態です。ニキビの炎症が深い層まで及んだあとには、修復の過程でできた線維が凹みの底を下から引っぱり続けることがあります。この状態では、周囲の面がどれだけ厚くなっても、底が引き込まれたままなので凹みは残ります。
この場合に必要なのは、面に厚みを足すことではなく、まず底の引き込みを切り離す手当てです。順序が逆になると、期間と費用をかけても変化が認識されにくく、「効かなかった」という印象だけが残ってしまいます。この見立てを施術の前に行うかどうかが、この領域でもっとも結果を左右する部分だと考えています。
ご自身で確かめておきたい三つのこと
診察でお伺いする前に、ご自身でも次の三点を確かめておいていただくと、ご相談の精度が上がります。いずれも鏡と自然光があればできるものです。
確認1|斜め45度からの光で、影がどう変わるか
正面からの明るい光の下と、窓から斜めに光が入る状態の両方で、同じ部位を見比べてください。正面の光では気にならないのに、斜めの光で一気に目立つのであれば、それは色の問題ではなく形(影)の問題です。この方向が関わるのは後者です。正面の光でも色として気になる場合は、色素の側への手当てが先になることがあります。
確認2|皮膚を軽く横に引いたときに、浅くなるか
気になる凹みの両側の皮膚を、指で軽く外側へ引いてみてください。引いたときに凹みが浅くなり、離すと戻るのであれば、底は強く引き込まれていない可能性があります。反対に引いても凹みの底が動かず、点として残ったままであれば、底が線維で引き込まれているサインと考えます。強く引っぱる必要はありません。ごく軽く、皮膚が動く程度で十分です。
確認3|毛穴の伸びる向きが、そろっているか
毛穴が気になる場合は、同じ部位の毛穴が一方向にそろって伸びているか、それともばらばらな形をしているかを見てください。一方向にそろって伸びている場合は、その面全体の支えが落ちていることを映していることが多く、面に働きかける方向が届きうる範囲にあたります。ばらばらな形で、一つずつ大きさが異なる場合は、個々の毛穴の状態が背景にあることが多く、別の方向のほうが適していることがあります。
※ここでの確認は、ご自身の状態を言葉にするための手がかりです。診断に代わるものではありませんので、実際の見立ては診察のうえで行います。
この方向では扱いにくいもの
ご相談の内容によっては、この方向が主たる選択肢にならないことがあります。次のような状態では、別の方向を先に検討します。
- 底が硬く引き込まれた凹み……前述のとおり、先に引き込みを切り離す手当てが必要になります。順序を逆にしないことが要点です。
- 盛り上がったかたちの跡……皮膚が過剰に作られて盛り上がっている状態には、皮膚の産生を促す方向は向きません。進む向きが逆になるためです。
- いま炎症しているニキビ……赤く腫れている、膿をもっているといった状態が続いているあいだは、まずその炎症を落ち着かせることが先になります。
- 毛穴の詰まりが主な背景である場合……角質や皮脂の詰まりによって黒く点として見えている状態は、形の問題ではありません。表面を整える方向のほうが近道です。
- 色として気になっている状態……赤みや色素沈着が残っている場合は、形への手当てでは変わりません。色の側への治療が別に必要になります。
これらは「この方向が良くない」という話ではなく、同じ凹凸というご相談のなかに、まったく別の手当てを必要とするものが混ざっているということです。診察では、まずこの切り分けを行います。
ご相談から施術後までの流れ
ステップ1|気になる凹凸が、形の問題かどうかを分ける
最初に行うのは、施術の説明ではなく切り分けです。斜めからの光を当てながら、色として気になっているのか、影として気になっているのかを一緒に確認します。ここで方向が決まりますので、もっとも時間をかける工程にあたります。
ステップ2|凹みの縁と底の状態を確認する
次に、前述の二つの条件を診察で確認します。底の引き込みが疑われる場合は、その場で「この部分はこの方向だけでは変わりにくい」とお伝えします。後から伝えるのではなく、施術を決める前にお伝えすることを大切にしています。皮膚を軽く動かしながら、範囲ごとに状態が違うことも多いため、部位を分けて確認します。
ステップ3|記録を残し、評価の日を決める
施術の前に、同じ条件で写真を残します。この領域では正面だけでなく、斜め45度からの光を当てた写真が欠かせません。影の変化は正面の写真には写りにくく、比べる材料がないと「変わったかどうか」の判断そのものができなくなります。あわせて、いつ評価するかを日付で決めておきます。
ステップ4|控えめな量から、深さを決めて置く
施術当日は、洗顔のあと表面麻酔を行い、決めた深さと量で分散させて置いていきます。この方向では、置いたものをあとから取り出したり溶かしたりする手立てが限られているため、初回は控えめな量から始め、必要であれば次の回で足すという順序をとります。とくに皮膚が薄い部位では、置く量と深さの判断が変わります。
ステップ5|評価の日に、写真と並べて確認する
決めた日に来院いただき、施術前の写真と並べて確認します。ここで「どの部分が変わり、どの部分が変わっていないか」を分けて見ます。変わっていない部分に底の引き込みが関わっていれば、そこから先は別の手当てに切り替えるという判断になります。
ダウンタイム・副作用・注意点
凹凸を目的とする場合、施術後に気をつけていただきたい点がいくつかあります。
想定内の反応
- 針を通した部分の小さな点状の跡……当日から2〜3日ほど
- 軽い赤みとほてり……当日から翌日ごろ
- 触れたときのわずかなざらつき……数日程度
- 内出血……部位により1〜2週間。皮膚の薄い場所で出やすくなります
- むくんだような感じ……翌朝にかけて出ることがあります
早めにご相談いただきたい症状
- 赤みや痛みが数日を過ぎても強くなっていく場合
- 熱をもって腫れてきた場合
- 押すと痛む硬さが触れる場合
- 色が濃く変わってきた場合
- 左右で見え方が大きく違うと感じる場合
とくに、数週間から数か月後に触れるようになった硬さは、施術直後に触れるものとは成り立ちが異なります。この見分け方と対応については、しこりを主題とした別の記事で詳しくご説明していますので、そちらもあわせてご覧ください。
この部位で気をつけたいこと
凹凸を目的とする場合、施術後についこすってしまう方が少なくありません。変化を確かめたくて触れたり、ざらつきが気になって強く洗ってしまったりすることがあるためです。施術後の数日は、こすらないことがもっとも大切です。摩擦は色の変化の原因になり、せっかく形が整っても別の悩みが加わることになります。日焼け止めも欠かさずお使いください。
受けることを慎重に考えたいご状態
- 妊娠中・授乳中の方
- 施術を予定している部位に炎症や感染がある方
- 過去に注入した部分に硬さが残っている方
- 自己免疫の病気で治療中の方
- ケロイドができやすい体質の方
- 抗凝固薬を服用中の方(内出血が出やすくなります)
料金相場と「価値」の考え方
この領域の費用で押さえておきたいのは、凹凸のご相談では、ひとつの方向だけで完結しないことが珍しくないという点です。底の引き込みがあれば先にその手当てが必要になり、色の問題が混ざっていればそちらも別に必要になります。つまり実際にかかる費用は、この方向の一回あたりの金額ではなく「その状態を仕上げるまでに、どの手当てがいくつ必要か」で決まります。
そこで下記の表は、よくあるご状態ごとに先に必要な手当てを含めた総額という形で整理しました。ご相談の前に、どのくらいの幅を想定しておけばよいかの目安としてご覧ください。
| ご状態 | 先に必要な手当て | この方向の回数 | 想定される総額(税込・目安) |
|---|---|---|---|
| 毛穴が縦に伸びて見える(面の支えの低下) | 不要なことが多い | 3回前後 | 約180,000〜330,000円 |
| 浅くなだらかな凹みが広い範囲にある | 不要なことが多い | 3〜4回 | 約180,000〜440,000円 |
| 底が引き込まれた凹みが混ざっている | 引き込みを切り離す処置 1〜3回 | 2〜3回 | 約250,000〜500,000円 |
| 赤み・色素沈着が同時にある | 色への治療 数か月 | 2〜3回 | 約200,000〜450,000円 |
| 炎症しているニキビがある | まず炎症への治療 | 落ち着いてから | 治療内容により変動 |
| 評価のための診察(記録・確認) | ― | ― | 約0〜5,500円/回 |
※料金は一般的な目安であり、税込の概算です。範囲・必要量・回数によって変わります。実際の費用は診察のうえでお見積りいたします。組み合わせが必要になる場合は、どの順序で、いくらかかるのかを着手の前にご提示します。
この表を見て「思ったより幅がある」と感じられたかもしれません。その幅そのものが、この領域では見立てによって必要な手当てが変わるということを示しています。金額を比べるときは、同じ回数同士ではなく「どの状態に、どの順序で何をするか」まで揃えて比べていただくのが確実です。
凹みのどの部分に働きかけるか|四つの方向の比較
凹凸に対する医療の選択肢は、いくつかの方向に分かれます。ここでは凹みのどの部分に働きかけるかという軸で並べました。それぞれ役割が違うため、優劣ではなく組み合わせ方の参考としてご覧ください。
| 項目 | 底の引き込みを切り離す | 囲む面の厚みを増す(この方向) | 表面を削って段差をなだらかにする | くぼみを内側から補う |
|---|---|---|---|---|
| 働きかける場所 | 凹みの底を下から引く線維 | 凹みを取り囲む面 | 凹みの縁と表面 | くぼみの内部 |
| 向く凹み | 底が硬く動かない凹み | 縁がなだらかに傾く凹み・縦に伸びた毛穴 | 縁が切り立った凹み | 面として不足したへこみ |
| 向かない凹み | 浅く広い凹凸 | 底が引き込まれた凹み | 広い範囲の浅い凹凸 | 小さく細かい凹凸 |
| 必要な休みの長さ | 数日 | 翌日から差し支えないことが多い | 数日〜1週間以上 | 翌日から差し支えないことが多い |
| 評価の時期 | 一区切り後1〜2か月 | 一区切り後2〜3か月 | 肌が落ち着いてから1か月 | 直後から |
| 向く方 | 深く点状の凹みが残っている方 | 面全体の質感から整えたい方 | 休みを取れる方 | 部分的なへこみが気になる方 |
※表は一般的な傾向を整理したものです。同じ方向でも、用いる製剤・設定・範囲によって内容は変わります。また、これらは相互に排他的なものではなく、順序を決めて組み合わせることが多い選択肢です。
30代後半〜50代後半の方からよくいただくご不安
「毛穴は結局、なくなるものなのでしょうか」
毛穴そのものは皮膚の構造の一部ですので、なくなることはありません。この方向で目指しているのは毛穴の開口部が引き伸ばされて見える状態を、周囲の面から整えて目立ちにくくすることです。「消える」ではなく「光の下で気にならない時間が増える」という段階を目標に置いていただくのが現実的だと考えています。
「何年も前のニキビ跡でも、いまから変わるものでしょうか」
形として残った凹凸は、時間が経っているからといって手当ての可否が変わるものではありません。判断を分けるのは年数ではなく、前述の縁と底の状態です。何年も前のものでも、縁がなだらかであれば見え方が変わることがあり、逆に最近のものでも底が引き込まれていれば別の手当てが先になります。
「一度に全部きれいにしたいのですが」
お気持ちはよく分かります。ただ、この方向では引き算の手立てが限られているため、一度に多くを置く進め方は避けています。また、複数の手当てを同時に始めると、変化がどれによるものか分からなくなり、次の判断ができなくなります。遠回りのように見えても、一つずつ順序を決めて進めるほうが、結果として早く着地します。
クリニック選びの基準
この領域でご相談先を選ぶとき、確認しておきたい点を挙げます。
- 施術の説明より先に、色の問題か形の問題かを一緒に確認してくれるか……ここが出発点です。いきなり施術名の提案から始まる場合は、一度立ち止まってよい場面です。
- 凹みの底の状態を確かめ、先に別の手当てが必要かどうかを伝えてくれるか……この順序の判断が、結果をもっとも左右します。
- 斜め45度からの光を当てた写真を残してくれるか……影の変化は正面の写真には写りません。記録の取り方を確認してください。
- 置く量だけでなく、どの深さに置くのかを説明してくれるか……この方向では深さの判断が要になります。
- この方向では変わりにくい部分を、はっきり言葉にしてくれるか……できることだけを並べる説明には注意が必要です。
- 評価する日を施術の前に決めてくれるか……いつ判断するかが決まっていないと、確かめようがありません。
- 組み合わせが必要な場合に、順序と総額を先に示してくれるか……あとから積み上がるのではなく、着手前に全体像が見えることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 毛穴とニキビ跡の両方が気になります。同時に相談できますか。
はい、同時にご相談いただけます。ただし診察では、それぞれが形の問題なのか色の問題なのか、そして底の状態がどうなっているのかを分けて確認します。結果として、同じ一つの方向で両方に向き合える場合と、部位ごとに別の手当てをご提案する場合があります。
Q2. 変化はどのくらいで感じられるようになりますか。
この方向では、置いたものが留まりながら数か月かけて働くという性質があるため、変化が認識されるまでに時間がかかります。評価に適した時期は一区切りを終えてからさらに数か月後です。経過の時期については別の記事で詳しくご説明しています。
Q3. 施術の直後に凹みが浅くなったように見えました。これが結果でしょうか。
いいえ、直後に見えているのは注入した水分と、針を通したことによる一時的な反応です。数日で落ち着きます。後の変化の大きさを示すものではありませんので、この段階で判断はなさらないでください。
Q4. 痛みはどの程度ですか。
表面麻酔を行ってから施術します。針が通る感覚よりも、薬剤が皮膚のなかに広がるときの圧として感じられることが多いとされます。感じ方には個人差がありますので、当日は遠慮なくお伝えください。痛みの感じ方については別の記事でも扱っています。
Q5. 翌日から仕事に行けますか。
多くの場合、翌日から通常の生活に差し支えないとされています。ただし点状の跡や内出血が出ることがあり、とくに人と近い距離で会うご予定がある場合は、1週間前までに終えておかれると安心です。
Q6. 底が引き込まれた凹みだと言われました。この方向はまったく意味がないのでしょうか。
そうではありません。先に引き込みを切り離す手当てを行ったうえで、周囲の面を整える目的でこの方向を組み合わせることがあります。順序が逆になると変化が認識されにくいという意味であって、選択肢から外れるわけではありません。
Q7. 一度入れたものは取り出せないと聞きました。心配です。
この方向の素材は、体内で時間をかけて分解・吸収されていきますが、置いた直後に取り出したり薬剤で溶かしたりする手立ては限られています。だからこそ初回は控えめな量から始め、必要に応じて次の回で足すという順序をとります。この点はご相談の際に必ずご説明しています。
Q8. 毛穴に対しては、何回くらい必要ですか。
範囲と状態によりますが、一区切りとして数回を見込むことが一般的です。ただし回数は「決め切ってから始める」のではなく、二回目の前に一度立ち止まって決め直すほうが安全です。回数と間隔については別の記事で詳しくご説明しています。
Q9. 他の施術と併用できますか。
併用されることはあります。ただし同じ時期に複数を始めると、変化がどちらによるものか分からなくなります。順序を決めて、一つずつ確かめながら進めることをお勧めしています。
Q10. 妊娠中・授乳中は受けられますか。
妊娠中・授乳中の方への施術は行っておりません。ご予定がある場合は、その時期も含めて計画をご相談ください。
Q11. 50代でも期待できますか。
年齢そのものが可否を分けるわけではありません。ただし年代が上がるにつれて、凹凸の見え方に「支えの低下」が重なってくることがあります。その場合は、面の質感への手当てだけでは見え方が変わりにくいため、優先順位を分けて考えることになります。年代による考え方の違いは別の記事で扱っています。
Q12. 自宅のケアでできることはありますか。
こすらないこと、日差しを避けること、乾燥させないことの三つが土台になります。形として残った凹凸が自宅のケアで平らになることは期待しにくいものですが、影が濃く見える要因(乾燥・炎症・色素)を減らしておくことは、どの方向を選ぶ場合にも役立ちます。
まとめ|凹みの縁と底を見てから、方向を決める
毛穴の開きとニキビ跡は、どちらも凹凸のご相談ですが、ポリ乳酸を用いた注入が働きかけているのは凹みそのものではなく、凹みを取り囲んでいる面のほうです。だからこの方向は「くぼみを埋める」のではなく「周囲の面を整えて、影の落ち方をゆるやかにする」という形で働きます。
向くかどうかを分けているのは深さではなく、凹みの縁がなだらかに傾いているか、そして底が硬い線維で引き込まれていないかという二つの条件です。底の引き込みがある場合は、面に厚みを足すより先に、その引き込みを切り離す手当てが必要になります。順序を逆にしないことが、この領域でもっとも大切な判断です。
当院では、施術のご提案より先に、色の問題か形の問題かを一緒に確認し、凹みの縁と底の状態をお伝えすることを大切にしています。この方向では変わりにくい部分についても、着手の前に率直にお話しします。気になる凹凸がどの種類にあたるのか分からないという段階でも構いませんので、まずは一度ご相談ください。

