公開日: 2026年10月25日
点状に肌を入れ替えるCO2レーザーとは?照射の深さとダウンタイムを解説
目次
肌の表面に残った細かな凹凸や、長く気にしてきたざらつき。化粧下地を重ねても影が拾われてしまい、光の加減で急に目に入る。そうした状態を調べていくと、必ずと言っていいほど名前が挙がるのがCO2レーザー、すなわち炭酸ガスレーザーです。ただこのレーザーは、肌をあたためて反応を促す種類の機器とは性質がまったく異なります。ごく細い点として組織を取り除き、その穴が埋まっていく過程で肌を入れ替える、という考え方の施術です。だからこそ、変化の大きさと、肌が落ち着くまでに必要な日数は切り離せません。この記事では、炭酸ガスレーザーがどの深さまで届く施術なのか、そして照射の設定とダウンタイムの長さがどう結びついているのかを整理し、ご自身の予定から逆算して考えるための材料を、美容皮膚科の視点からご説明します。
CO2レーザーとは?取り除いて入れ替えるという性質
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)は、組織に含まれる水分に強く吸収される波長の光を用います。皮膚には多くの水分が含まれているため、照射された部分は瞬間的に熱を受け、ごく狭い範囲が蒸散します。つまりこのレーザーは、熱を加えて反応を待つのではなく、物理的に取り除くレーザーです。
かつては皮膚の表面を面として削る使い方が中心でしたが、現在多く用いられているのは「フラクショナル」と呼ばれる照射の仕方です。面ではなく、無数のごく細い点として照射し、点と点のあいだに手つかずの皮膚を残すという方法をとります。残された部分が回復の足場になるため、面で削る場合よりも肌が落ち着くまでの期間を短く保てるという考え方です。
この「点で抜いて、周囲から埋める」という仕組みが、炭酸ガスレーザーの性格を決めています。取り除いた穴が修復される過程で、その部分の組織が新しく置き換わっていきます。したがって期待できるのは、表面をなめらかに整えるという以上に、形として残っている凹凸そのものに手を入れられるという点にあります。
なお、点として組織を取り除く方向の施術には、レーザーを用いるものと、細い針から高周波を流すものなど複数の方式があります。当院では、この方向の選択肢として美肌再生フラクショナルRFをご用意しています。導入している機器の種類や呼称は施設ごとに異なりますので、機器の名前ではなく「どの深さまで、どの程度の密度で扱うのか」という設定の中身で比べていただくことをおすすめしています。
※機器の導入状況、搭載されている機能、施術の呼称は施設ごとに異なります。ここでの説明は一般的な仕組みの整理であり、特定の機器の性能を保証するものではありません。
深さと密度という二つの設定
点として照射する施術では、施術前に決める設定が大きく二つあります。この二つを理解しておくと、見積もりや説明の意味が読み取れるようになります。
設定1:深さ(どこまで届かせるか)
一つひとつの点が、皮膚のどの層まで到達するかという設定です。浅く設定すれば表面の質感に働きかける施術になり、深く設定すれば、形として残った凹凸のある層まで届きます。気になっているものが「肌の表面の粗さ」なのか「影を落とすほどの形」なのかで、必要な深さは変わります。この見極めは、照射の前に診察で行う必要があります。
設定2:密度(どれだけの割合を扱うか)
一定の面積のなかに、いくつの点を打つかという設定です。密度を上げるほど、一度の施術で扱える割合が増えます。ただし手つかずの皮膚が減るということでもあり、回復の足場が少なくなります。密度は「一度でどこまで進めるか」と「肌が落ち着くまでの日数」を同時に決めていると考えてください。
この二つは、休みの長さと切り離せない
ここがこの施術のもっとも重要な点です。深さと密度を上げれば、一度あたりで進められる幅は大きくなります。しかし同時に、赤みやかさぶたのような状態が続く期間も長くなります。変化の大きさと、肌が落ち着くまでの日数は、切り離して選ぶことができません。
したがって現実的な進め方は、機器の名前や出力の強さから入るのではなく、「何日なら人に会わずに過ごせるか」から逆算して設定を決めることです。まとまった休みが取れるなら一度で進める組み立てが、日常を止めにくい方なら控えめな設定を複数回に分ける組み立てが向きます。どちらが優れているというものではなく、生活の側から決まる選択です。
期待できる変化と、部位ごとの考え方
形として残った凹凸
斜めからの光で影が出るような凹凸は、表面を整えるだけでは届きにくい領域です。点として深い層まで届かせる方向は、この種の変化に対して選択肢になります。ただし目標は「表面が平らになる」ことではなく、影が浅くなり、光の加減で目立ちにくくなる段階に置くのが現実的です。なお、凹凸の種類ごとの見分け方と治療の組み立ては、別の記事で詳しく扱っています。
毛穴の開きとざらつき
毛穴が縦に広がって見える状態や、触れたときのざらつきに対しては、比較的浅い設定で扱う方向が検討されます。この場合は一度で大きく変えるというより、間隔をおいて数回繰り返すことで少しずつ整えていく組み立てになります。
小さな盛り上がりや、いぼ状の変化
炭酸ガスレーザーは、面ではなく一点に絞って用いることで、小さく盛り上がった部分を取り除く目的にも使われます。この使い方は点状に広く照射する方法とは目的が異なり、施術の時間も費用の考え方も別になります。診察のうえで、対象が何であるかを見極めることが前提です。
この方向では扱いにくいもの
左右対称に広がる薄い色の変化のように、熱の刺激でかえって濃くなることがある状態には、この方向を第一の選択肢としません。色の問題は見極めを誤ると経過が難しくなるため、別の枠組みで整理する必要があります。また、皮膚のゆるみそのものに対しては、取り除く方向ではなく引き締めや支えを補う方向が検討されます。
メリットと、知っておきたい留意点
- 形として残っている凹凸に対して、取り除くという方向から働きかけられる点が、この施術のもっとも大きな特徴です。
- 深さと密度を状態に合わせて変えられるため、同じ機器でも「控えめに複数回」と「一度でまとめて」の両方の組み立てが可能です。
- 点と点のあいだに手つかずの皮膚を残す方法をとることで、面として削る場合より回復までの期間を短く保つ設計になっています。
- 一方で、赤み・ざらつき・小さなかさぶたのような状態が数日から一週間程度続くことが想定され、この期間を見込んだ日程の組み立てが必要です。
- 施術後に色素沈着が生じる可能性があり、日焼けの影響を受けやすい時期は慎重な判断が必要です。遮光を続けられるかどうかも検討材料になります。
- 費用の安さだけで選ぶと、設定が控えめすぎて変化が分かりにくかったり、逆に予定に合わない長さの休みが必要になったりします。見積もりでは金額よりも先に、深さ・密度・想定される休みの長さを確認してください。
相談から施術後までの流れ
ステップ1:診察と、対象の見極め
気になっている部分が、形の問題なのか色の問題なのかを分けます。正面からの光で色が気になるのか、斜めからの光で影が気になるのか。ここを取り違えると、方向そのものが合わなくなります。医師選びという観点でも、この切り分けを省かずに確認してくれるかどうかは判断材料になります。
ステップ2:予定から逆算して設定を決める
この施術に固有の、もっとも重要な工程です。いつまでに、どのような予定があるのかを先にお聞きしたうえで、深さと密度を決めます。設定を先に決めてから日程を探すのではなく、使える日数から設定を決めるという順序をおすすめしています。
ステップ3:施術前の記録
同じ場所・同じ照明で、正面と斜め45度からの写真を残します。影の出方を確かめる施術のため、斜めからの光を含めた撮影が欠かせません。正面の写真だけでは、凹凸の変化を比べることができないためです。
ステップ4:麻酔と照射
洗顔のうえ、施術部位に表面麻酔のクリームを塗布して一定時間おきます。照射そのものは、輪ゴムで弾かれるような刺激が連続する感覚と表現されることが多く、設定によって感じ方は変わります。顔全体でおおむね20分から40分程度が目安です。強く感じられる場合は、その場でお知らせください。
ステップ5:冷却と、帰宅後のケアの確認
照射後は十分に冷却し、保護のための外用をお渡しします。あわせて、洗顔・メイク・日焼け止め・入浴をいつから再開してよいかを、日ごとにお伝えします。この期間の過ごし方が経過を左右しますので、口頭だけでなく書面でお渡ししています。
ダウンタイムの経過と、副作用・注意点
点として組織を取り除く施術では、照射のあとに残る微細な穴が埋まっていく過程そのものがダウンタイムにあたります。何が起きているかが分かっていれば、経過に不安を感じにくくなります。
当日から翌日
日焼けをしたあとのような赤みとほてりが出ます。ひりつきを感じる方もいらっしゃいます。この段階では冷却と保湿が中心になります。
2日目から4日目
赤みが少しずつ落ち着く一方で、肌の表面に細かなざらつきや、ごく小さな点状のかさぶたのような状態が現れます。この時期にこすったり無理に取り除いたりすることは、色素沈着の要因になります。触れずに待つことが、この施術でもっとも大切な過ごし方です。
5日目から1週間
表面の状態が自然に整い、メイクで目立ちにくくできる段階に入る方が多い時期です。設定を深く・高密度にした場合は、これより長くかかることがあります。
2週間から数か月
見た目の落ち着きと、組織が入れ替わっていく過程には時間差があります。凹凸に対する変化を判断するのは、1か月から3か月程度を目安にしてください。大切なご予定がある場合は、その2週間以上前までに施術を終えておく逆算をおすすめしています。
対応を要する症状と、受けられない方
強い痛みが続く、部位が腫れて熱を持つ、黄色い浸出液が出る、といった症状が現れた場合は、時間をおかずにご連絡ください。また、口のまわりにヘルペスの既往がある方は、施術をきっかけに再燃することがあるため、事前の内服で備える場合があります。妊娠中および授乳中の方、日焼け直後の方、施術部位に強い炎症がある方、光線過敏の既往がある方は施術を控えていただきます。傷あとが盛り上がりやすい体質の方も、事前にお申し出ください。
料金の目安と、費用の見方
この方向の施術は、一度で完了するというより、間隔をおいて数回受ける組み立てになることが少なくありません。費用は1回あたりの金額だけでなく、一区切りまでの総額と、そのあいだに必要になる休みの合計もあわせて見ておくと、計画が立てやすくなります。
| 範囲・設定 | 1回あたりの目安(税込) | 想定される休みの長さ | 見積もりで確認したい点 |
|---|---|---|---|
| 顔全体(浅めの設定) | 約33,000円〜66,000円 | おおむね3〜5日 | 「顔全体」に首・額が含まれるか |
| 顔全体(深め・高密度) | 約55,000円〜110,000円 | おおむね7〜10日 | 深さと密度の設定が明記されているか |
| 頬のみ | 約22,000円〜55,000円 | おおむね3〜7日 | こめかみ・小鼻の際まで含むか |
| 小さな盛り上がりの処置(1か所) | 約5,500円〜16,500円 | おおむね5〜7日(保護テープ) | 大きさによる料金の区分 |
| 麻酔・術後の外用 | 約2,200円〜5,500円 | ― | 施術料に含まれるか別途か |
※金額はいずれも税込の目安であり、範囲の定義・設定の考え方・休みの長さは状態と施設ごとに異なります。実際の費用は診察のうえでお見積もりいたします。自由診療のため健康保険の適用はありません。
「どこまで届くか」と「何日休むか」で比べる四つの方向
同じ「肌を整えたい」という入口でも、選ぶ方向によって届く層と必要な休みは大きく変わります。この二つを並べて見ると、ご自身の生活に置ける方向が絞り込めます。
| 項目 | 点状に取り除く照射 | 熱で反応を促す照射 | 薬液によるピーリング | 毎日のセルフケア |
|---|---|---|---|---|
| 届く層の目安 | 設定により表面から深い層まで | 真皮を中心とした層 | 表面から浅い層 | 表面のごく浅い層 |
| 形の凹凸への働きかけ | 主たる目的になりうる | 限定的 | 限定的 | 対象としない |
| 必要な休みの長さ | 3日〜10日程度 | 当日〜数日 | 当日〜数日 | なし |
| 一区切りの回数 | 3〜5回(1〜2か月間隔) | 1〜5回 | 5回前後(2〜4週間隔) | 継続 |
| 費用の目安(税込) | 約33,000円〜/回 | 約44,000円〜/回 | 約15,000円〜/回 | 製品による |
| こんな方に向く | 休みを確保でき、形を扱いたい方 | 日常を止めたくない方 | まず浅い層から試したい方 | 土台を保ちたい方 |
※いずれも一般的な目安であり、実際の回数・休みの長さ・費用は状態と設定、施設ごとの取り扱いによって異なります。
30代後半〜50代後半の方からよくいただくご不安
「仕事を休めないのですが、受けられますか」
受けられないわけではありません。設定を控えめにし、回数を分ける組み立てにすることで、休みを短く抑えることは可能です。ただし一度あたりで進む幅は小さくなりますので、「短い休みで少しずつ」か「まとまった休みで一度に」かを、最初に選んでいただく形になります。
「かさぶたのような状態が人に見えてしまわないか」
点状に細かく現れるため、離れて見れば肌のざらつき程度に見えることが多いものの、近くで見れば分かる状態です。人と会う予定がある時期は避け、遮光を兼ねた日焼け止めで保護しながら過ごしていただくのが現実的です。
「一度で変わらなければ、受けた意味がないのでは」
この方向の施術は、一度ごとに少しずつ入れ替えていく積み上げの考え方をとります。一度で判断するのではなく、一区切りを終えた時点で、施術前の写真と並べて確かめるという進め方をおすすめしています。
クリニックを選ぶときの七つの基準
- 気になっている部分が色の問題か形の問題かを、診察で分けて確認してくれるか。
- ご予定を先に聞いたうえで、深さと密度を決めてくれるか。設定ありきで日程を探す進め方になっていないか。
- 想定される休みの長さを、日数で具体的に示してくれるか。
- 斜め45度を含む写真記録が、施術前と評価時の両方に組み込まれているか。
- この方向では届きにくい部分について、率直に伝えてくれるか。
- 術後の外用・遮光・再開の目安を、書面で渡してくれるか。
- 経過中に不安が生じたときの連絡先と、受診の目安が明確になっているか。
よくある質問(FAQ)
Q1. CO2レーザーのダウンタイムはどのくらいですか。
設定によって変わります。浅めであればおおむね3日から5日、深く高密度に設定した場合は7日から10日程度を見込んでおくと安心です。日数は診察時に具体的にお伝えします。
Q2. 痛みはどの程度ですか。
表面麻酔のクリームを使用したうえで行います。輪ゴムで弾かれるような刺激が連続する感覚と表現されることが多く、設定が深いほど強く感じられる傾向があります。
Q3. 何回くらい必要ですか。
1か月から2か月の間隔で3回から5回を一区切りとする組み立てが一般的です。設定を控えめにするほど回数は増える傾向があります。
Q4. 凹みは平らになりますか。
目標は「平らにする」ことではなく、影が浅くなり光の加減で目立ちにくくなる段階に置くのが現実的です。凹みのかたちによって届きやすさが異なりますので、診察で見込みをご説明します。
Q5. かさぶたのような部分は取ってもよいですか。
こすったり無理に取り除いたりしないでください。色素沈着の要因になります。自然に落ち着くのを待つことが、この施術でもっとも大切な過ごし方です。
Q6. メイクはいつからできますか。
設定によりますが、翌日以降から可能とすることが多く、表面のざらつきが落ち着くまでは薄めのメイクをおすすめしています。具体的な日数は施術後にお伝えします。
Q7. 日焼けをしていても受けられますか。
日焼け直後は控えていただきます。また施術後も色素沈着を避けるため、遮光を続けていただく必要があります。夏場に検討される場合は、生活の状況をふまえて時期をご相談ください。
Q8. 毛穴にも効果は期待できますか。
毛穴の見え方には、詰まりによるものと、たるみによって形が変わっているものがあります。前者には浅めの設定が、後者には別の方向が検討されます。診察で見極めたうえでご案内します。
Q9. 他の施術と組み合わせられますか。
同じ日に重ねることは、肌への負担の面から慎重に判断します。時期をずらして進めるほうが、経過の見通しも立てやすくなります。
Q10. 妊娠中や授乳中でも受けられますか。
妊娠中および授乳中の方は控えていただいております。麻酔の使用や経過中の外用の関係もありますので、授乳が終わられてからのご相談をお願いしています。
Q11. 口のまわりにヘルペスができたことがありますが大丈夫ですか。
施術をきっかけに再燃することがあるため、既往をお知らせいただいたうえで、必要に応じて事前の内服で備えます。ご自身から申し出ていただくことが大切です。
Q12. 50代から始めても遅くありませんか。
年齢そのものが適応を決めるわけではありません。ただし回復に要する日数には個人差があり、遮光を続けられるかどうかも判断の材料になります。診察でご一緒に確認いたします。
まとめ
CO2レーザーは、水分に吸収される波長を用いて組織を点として取り除き、その穴が埋まっていく過程で肌を入れ替えるという性質の施術です。あたためて反応を促す方向の機器とは考え方が異なり、形として残った凹凸に対して働きかけられる点が大きな特徴になります。
施術前に決めるのは、深さと密度という二つの設定です。この二つを上げるほど一度で進める幅は大きくなりますが、肌が落ち着くまでの日数も同じだけ長くなります。変化の大きさと休みの長さは切り離せないという前提に立つと、進め方は「何日休めるか」から逆算するのが現実的だと分かります。
藤井クリニック梅田では、気になっている部分が色の問題か形の問題かを診察で分けたうえで、ご予定をうかがってから設定を決めています。斜め45度を含む写真を残し、一区切りを終えた時点で並べて確かめるところまでを一連の流れとしてご案内しています。どの方向が合うのか判断がつきにくいときは、まずはご相談ください。

