公開日: 2024年11月07日

更新日: 2024年11月08日

ほうれい線へのボトックス治療で期待できる効果を解説!

年齢を重ねるごとに濃くなるほうれい線は、多くの女性にとって悩みの種です。

近年はボトックス注射によって目立たなくしている方も増えていますが、効果やリスクへの不安が拭えないうちは、治療に踏み切れないですよね。

 

そこで本記事では、ほうれい線へのボトックス治療で得られる効果を、メリット・デメリットとともにお伝えします。

ほうれい線の悩みを解消して、毎日を清々しく過ごしたい方の後押しとなれば幸いです。

 

 

ボトックスとは?

一般的にボトックスとよばれているものは、ボツリヌス菌由来のタンパク質を有効成分とする“A型ボツリヌス毒素”のことです。

このタンパク質には、筋肉を動かす神経伝達物質の放出を抑えるはたらきがあり、気になる箇所にボトックスを注入することで、一時的に筋肉の動きが抑制されます。

 

美容医療の分野では、この仕組みを眉間や目尻のシワの改善に応用しており、ほうれい線にお悩みの方にも用いられています。

治療に際してはメスを使用せず、患部への注射1本で済むので、患者さまも気楽に治療を受けられるのではないでしょうか。

 

なお厳密には、ボトックスとはアメリカのアラガン社の製品である“ボトックス”ないしは“ボトックスビスタ”を指します。

施術に用いられるA型ボツリヌス毒素のうち、2024年10月現在、日本の厚生労働省から承認を得ているのはアラガン社のボトックスとボトックスビスタのみです。

 

 

ほうれい線は“シワ”ではない?

ほうれい線を、“シワ”の一種だと捉えている方は少なくありません。

しかし、これは誤りです。

 

シワとは、紫外線や乾燥、加齢による表情筋の減少などが原因で、肌のハリがなくなり皮膚がよれてできるものです。

これに対しほうれい線は、顔の骨格や表情筋によって生じる“溝”のことで、その深さや長さには個人差があり、お子さまや若年層にもみられます。

 

一見同じものと誤解されそうなほうれい線とシワは、実はまったくの別物だというのがおわかりいただけたでしょうか。

 

とはいえやはり、ほうれい線も年齢とともに目立ちはじめます。

その原因については、次項で解説します。

 

 

ほうれい線が目立つ原因

ここからは、ほうれい線が目立つようになる理由を深掘りしていきます。

 

ボトックス治療を受ける前に、ご自身のほうれい線がどういった原因で目立ちはじめたのかを解明しておきましょう。

以下で、主な原因を4つお伝えします。

 

 

皮膚のたるみ

ほうれい線が目立つ原因の一つに皮膚のたるみが挙げられ、これに起因するほうれい線は“皮膚たるみ型”とよばれます。

加齢に伴う肌の弾力の低下や頬の皮下脂肪の減少によって溝が深くなり、ほうれい線が強調されてくるのです。

 

ご自身のほうれい線が皮膚たるみ型かどうかは、仰向けに寝たときのほうれい線の溝の深さが判断基準となります。

もし、仰向けの状態で目立たず、起き上がってからほうれい線がはっきりするようなら、皮膚たるみ型である可能性が高いといえます。

 

 

表情筋の過剰発達

表情筋が過度に発達して、ほうれい線の溝が深まり悪目立ちするケースもあり、これを“筋肉型”とよびます。

鼻と頬の境目付近にある長い筋のような筋肉が発達して硬くなると、ほうれい線が際立ってしまうのです。

 

筋肉型の特徴は、普段からほうれい線の浅い筋がみられるほか、笑顔になったときにより深い溝が生じることです。

このタイプは、一概に加齢が原因とは言い切れず、表情筋を頻繁に動かす方であれば若年層でも生じます。

 

 

小鼻周りの骨の形

ほうれい線ができる原因として、骨格が影響していることは先述した通りですが、なかでも小鼻まわりの骨が大きく関係しています。

小鼻周辺の骨の出っ張りが少ない方はほうれい線が目立つ傾向にあり、このタイプのほうれい線は“骨くぼみ型”とよばれます。

なかには生まれつき骨が小さく、くぼみができている方もいらっしゃいますが、加齢による骨の萎縮が原因というケースがほとんどです。

 

仰向けに寝ているときや無表情になったときにも、ほうれい線に変化がないなら、骨くぼみ型かもしれません。

 

 

複数の原因が内在している

ここまでにほうれい線ができる原因を3つお伝えしましたが、これらが複数当てはまっている場合もあります。

特に30代後半の方に多く見受けられ、“混同型”とよばれます。

 

このタイプのほうれい線は、原因に合わせた施術を併用して改善を目指すことが必要です。

 

 

ボトックス治療で改善を期待できるほうれい線の種類

ほうれい線にもいくつかの種類があることがわかりましたが、上記のうちボトックス治療で改善が見込めるのは、“筋肉型”のほうれい線のみです。

残念ながら、ボトックス治療ではすべての原因に対する効果はありません。

ボトックスは筋肉に作用することから、筋肉由来ならある程度の効果を得られますが、そのほかの原因によるほうれい線には、大きな改善は望めないのです。

 

なお、皮膚たるみ型や骨くぼみ型の場合には、フェイスリフトやヒアルロン酸を注入する施術で効果が期待できます

 

 

ほうれい線へのボトックス治療で期待できる効果

筋肉型のほうれい線でお悩みの方は、ボトックス治療を受ければ、ほうれい線を気にせず毎日を過ごせるようになるかもしれません。

 

口角を上げる表情筋にボトックスを注入することで筋肉の動きが抑制され、気になる口元にアプローチできます。

これにより皮膚の表面が滑らかになって見た目も変わってくるので、施術前よりきっと、ご自身の表情が好きになるはずです。

 

また、ボトックス治療は既存のほうれい線を目立ちにくくするだけではなく、新たなほうれい線が形成されるのも防げます

 

筋肉型のほうれい線を浅くして悩み知らずの毎日を過ごしたい方は、ボトックス治療を検討してみてください。

 

 

ほうれい線へのボトックス治療で得られるメリット

ここからは、筋肉型のほうれい線を前提に、ボトックス治療で得られるメリットについて詳しく解説します。

 

 

メリット①注射のみで完結する

ほうれい線へのボトックス治療は、顔にメスを入れることなく注射のみで完結するため、手術に伴うリスクをある程度軽減できる点がメリットです。

 

顔への直接の施術に少なからず抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ボトックス治療なら大きな傷が残る心配もありませんし、なにより痛みやダウンタイムも抑えられます。

 

「顔への施術は怖いけど、ほうれい線がどうしても気になる……」とお考えの方には、注射を打つだけのボトックス治療はうってつけではないでしょうか。

 

 

メリット②施術時間が短い

ボトックス治療のメリットとして、施術時間の短さも挙げられます。

具体的な施術時間はクリニックや施術内容によって左右されますが、おおよそ10~15分で終了します。

 

顔の筋肉に注射を打つだけなので短時間で終了し、クリニックを出たあとの行動制限もありません。

その日からメイクも可能で、仕事や外出の合間でも施術を受けることができます。

 

ただし、麻酔クリームや麻酔テープを使用する場合はこの効果が表れるまでに30分程度かかるので、トータルで40~45分ほど時間を要します。

 

 

メリット③顔の左右のバランスを整えることができる

嚙み合わせが悪かったり、頬づえをつく癖があったりすると顔のバランスが崩れやすくなります。

この影響でほうれい線が左右非対称になっている場合、ボトックス治療でバランスが整う効果が期待できます

注射で顔の左右の注入量を調整するだけで、調和の取れた美しい笑顔になることに驚かれるでしょう。

 

 

ほうれい線へのボトックス治療によるデメリット

ボトックス治療で得られるメリットとあわせてデメリットも押さえることで、より理解を深められます。

以下で、3つのデメリットについて解説します。

 

 

デメリット①効果は永久的に続かない

一度ボトックス注射でほうれい線を目立たなくさせても、その効果は永久的ではありません

 

ボトックス注射における効果の持続期間は、注入する量や個人の体質によって異なりますが、通常は3~4か月程度とされています。

そのため、効果を長く実感したいのであれば、定期的に施術を受ける必要があるわけです。

 

とはいえ、いつまでも同じ間隔で施術を受けなければならないわけではなく、3回目以降は持続期間が長くなるので、施術の間隔も延びていきます。

3回目からはどのタイミングで次の治療を受けたらよいのか、医師とよく相談して決めましょう。

 

 

デメリット②ほうれい線の種類によっては効果が期待できない

先述の通り、ほうれい線には発生要因別に4つの種類があり、そのうちボトックス治療で効果が期待できるのは筋肉型のほうれい線だけです。

これ以外のほうれい線の場合は、せっかくボトックス治療を受けても効果は期待できません。

 

ご自身でほうれい線の種類を正確に判断できないのであれば、医師に診断してもらい、原因を突き止めるのが良策です。

そのうえで、筋肉型であればボトックス治療を、それ以外ならほかの治療方法を検討することとなります。

 

 

デメリット③表情がうまく動かなくなる可能性がある

万が一、ボトックスの注入量が多かったり、注射箇所が適切ではなかったりすると、ほうれい線とは関係のない表情筋までうまく動かせなくなるおそれがあります。

また、施術後に注射痕を頻繁に触ると、想定外の範囲にまでボトックスが広がってしまい、自然な表情が失われることも考えられます。

 

このようなリスクを回避するには、経験豊富な医師の施術を受けるしかありません。

ホームページで公表されている実績や口コミを参考に、ご自身が納得して任せられる医師がいるクリニックを選ぶことが重要です。

 

 

ほうれい線へのボトックス治療が向いている人

「笑ったときのほうれい線が気になる……」「ほうれい線を気にしすぎて表情が固くなる……」とお悩みの方には、ボトックス治療がおすすめです。

表情の変化に伴うほうれい線は筋肉の動きによるものなので、ボトックス注射で表情筋をリラックスさせることで効果が期待できるわけです。

性別や年齢を問わず、笑顔になれば誰でもほうれい線ができます。

人によって、ほうれい線の目立ち方に多少の差はあるものの、あまりにも気にしすぎてうまく笑えないのは精神的にもつらいはずです。

 

ボトックス治療によってほうれい線を目立ちにくくすることが、いつでも自然な表情で毎日を過ごすための近道になるのではないでしょうか。

 

 

ほうれい線へのボトックス治療にかかる料金の目安

ほうれい線を目立ちにくくするボトックス治療にかかる費用は、製剤の種類や注入量によって大きく変動しますが、1回あたり1万~9万円程度が相場です。

ほうれい線へのボトックス治療をはじめとした顔の一部に製剤を注入する施術の場合は少量のみで済むため、そのぶん費用が安くなります。

 

なお、美容目的のボトックス治療は自由診療になり、クリニックごとに料金が異なります。

なかには数千円で治療を受けられるクリニックもありますが、一般的には上記した相場の費用がかかることを念頭に置いておきましょう。

 

 

ほうれい線へのボトックス治療によって快活な毎日を実現できる

今回は、ほうれい線へのボトックス治療で得られる効果をメリット・デメリットとともにお伝えしました。

 

ほうれい線はシワの一種ではなく、骨格や表情筋のつき方によって生じる顔の“溝”です。

そのため、ボトックスを表情筋に注入することで、ほうれい線が気にならなくなる効果が期待できるわけです。

しかし、効果が得られるのは、筋肉型のほうれい線のみだという点を頭に入れておきましょう。

 

藤井クリニックでは、ほうれい線にお悩みの方に寄り添う施術を提供しております。

お悩みを解消し、自信のある笑顔で毎日を過ごしたい方は、ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約40000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約15年間で70000例以上の実績を持つ。

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