公開日: 2024年02月02日

更新日: 2024年11月27日

【医師が解説】一晩でニキビを治したい!即効性のある治療法はある?

【医師が解説】一晩でニキビを治したい!即効性のある治療法はある?

誰もが一度は悩んだことがあるニキビ。

これができると、小さくてもずっと気になってしまいますよね。
触ってはいけないとわかっていても、ついつい触りたくなってしまいます。

気になるニキビを少しでも早く方法はないのでしょうか?
意外と知らないニキビのできる理由やできてしまった時の対処法、やってはいけないことなどについてご紹介します。ニキビで悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

ニキビができる理由

ニキビとは、毛穴に皮脂が溜まり雑菌が繁殖して炎症を起こしている状態のことです。おもに顔全体、額・頬・口の周り・下あごなどに現れますが、背中や胸など体に現れることもあります。

ニキビができるおもな理由は、3つあります。
1. 毛穴の詰まり 
2. アクネ菌の増殖
3. 皮脂の過剰な分泌

肌には、古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わる、「ターンオーバー」と呼ばれるサイクルがあります。このサイクルが乱れると、古い皮膚が剥れないまま毛穴が詰まり、皮脂も詰まってしまいます。さらに皮脂を栄養とするアクネ菌が増殖し、炎症を起こします。これがニキビの発生です。

また、糖分・油分をとりすぎて、バランスの悪い食生活、思春期による男性ホルモンの増加などによって皮脂が過剰に分泌されてしまうと、アクネ菌もさらに増殖します。これらの原因が合わさることでニキビが発生し、悪化していきます。

一晩でニキビを治すことは可能?

一晩でニキビを完治させることは、クリニックの治療でもかなり難しいです。ただし、ニキビの症状改善を少しでも早めたい時には、例えば次のような対処をすることが可能です。

抗炎症薬を塗布する

赤ニキビを一晩で目立たないようにするためには、薬局で販売されている軟膏の抗炎症薬がおすすめです。洗顔後、ニキビを覆うように抗炎症薬を塗ります。抗炎症薬には、湿疹だけでなくニキビの炎症にも効果的です。

ニキビパッチを貼る

ニキビパッチは、ニキビに貼るシールのことをいいます。ニキビができて敏感になっている部分を細菌や紫外線などの外部刺激から保護でき、ニキビの悪化や進行を抑えます。ニキビを治療するものではないので、応急処置的に利用しましょう。

抗生物質によって炎症を抑える

炎症を起こして赤くなったニキビは、さらに悪化すると毛穴の中で膿が溜まってしまうことがあります。膿がたまったニキビには抗生物質が有効です。

膿に繁殖している菌を殺して炎症を抑えます。また、抗炎症薬やニキビパッチは市販でも購入できますが、抗生物質は医師による処方が必要です。

早く改善できるニキビの種類

ニキビは段階によって「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」の4種類に分けられます。順番に詳しく見ていきましょう。

白ニキビ

ニキビの初期段階で見た目が白~乳白色です。毛穴に皮脂が詰まった状態で、外見ではわかりにくいですが皮膚の内側では皮脂が溜まっています。

黒ニキビ

白ニキビから少し段階が進み、悪化した状態になると、溜まった皮脂が盛り上がり、あいた毛穴から酸素に触れた皮脂が酸化して黒くなります。この状態を「黒ニキビ」と呼び、白ニキビと合わせて「コメド」「面ぽう」などとも呼ばれ、触ると肌がざらざらするという特徴があります。

赤ニキビ

黒ニキビがさらに悪化すると、毛穴に溜まった皮脂に菌が繁殖し、炎症を起こしてニキビとその周辺の皮膚が赤く腫れあがります。一般的にこの状態が「ニキビ」と呼ばれるもので、人によってはかゆみや痛みを伴うでしょう。

黄ニキビ

赤ニキビがさらに重症化すると、繁殖した菌が膿を出します。赤く腫れた患部の中心で、毛穴の中で溜まった膿が黄色く見えるため「黄ニキビ」と呼びます。

この状態のニキビを自分の手で潰してしまう人もいますが、悪化する可能性があるので潰したり触ったりせず、皮膚科を受診することがおすすめです。

なかなか治らない!?大人ニキビの対処

大人ニキビは思春期を過ぎても悩まされる厄介な存在です。特にストレス、ホルモンバランスの変化、不規則な生活習慣が大きな要因とされています。まず、日常生活の見直しが重要です。睡眠不足や栄養バランスの偏りは肌に悪影響を及ぼすため、規則正しい生活を心がけることが基本です。


また、生活環境や仕事のプレッシャーなどからくるストレスは、肌の炎症を引き起こす原因となります。 年齢を重ねることで皮脂分泌が変化し、ターンオーバーが乱れることもニキビの治りにくさにつながります。


こうした要因を踏まえると、適度な運動や趣味の時間を持つことが心身のリフレッシュに役立ちますが、根本的な問題解決には専門的な治療が重要です。セルフケアで改善できる部分は改善しつつ、皮膚科医や美容クリニックのドクターなど、大人ニキビの症状に詳しい専門家による診断をもとに具体的な治療プランを組み立て、効果的にアプローチできます。


特に大人ニキビは症状に応じて多様な治療法が存在しますので、適切な対策を行うことで改善が期待できます。

自宅でできるニキビの応急処置

自宅でできるニキビの応急処置

軽度な段階である白ニキビ、黒ニキビの状態であれば、自宅で応急処置できます。前述のように、抗炎症薬を塗布したり、ニキビパッチを貼ったりすることで症状は改善します。

また、脂っこいものや甘いものを控えたり、肌にいい食べ物を積極的にとったりすることで、さらに改善効果が見込まれるでしょう。

 

市販薬で大人ニキビを改善したいと思ったら

大人ニキビを治すために市販の薬の活用も選択肢の一つです。市販薬には、主に外用薬と内服薬があり、それぞれ異なる作用機序を持っています。 外用薬には、抗炎症成分や抗菌成分が含まれており、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑え、炎症を緩和します。一般的に、サリチル酸やベンゾイルペルオキシドを含む製品は、毛穴の詰まりを改善し、ニキビの予防や治療用として販売されています。また、ビタミンC誘導体を含むクリームは、肌のターンオーバーを促進するので大人ニキビができてしまった跡の改善に使う方も多いです。 内服薬に関しては、医師の診断を受けてから内服するようにしましょう。 ただし、市販薬を使用する際には注意が必要です。自分の肌質やニキビの種類に合った薬を選ぶことが大切ですし、過剰な使用は逆効果になり得るため、適正な使用量を守ることが求められます。いずれにせよ、市販薬では効果に限度があるため、特に重症化している場合や繰り返しニキビが出てしまうような時には、皮膚科医や美容クリニックのドクターなどに相談して見ましょう。

 

鼻にできるニキビの対処法

大人ニキビはホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣が主な原因です。特に鼻にできるニキビは、皮脂腺が活発で毛穴が詰まりやすく、これらの要因によって悪化します。即効性のある治療法としては、抗炎症効果のある外用薬やビタミンC誘導体を含むスキンケアが有効です。さらに、十分な睡眠とバランスの取れた食事も重要です。
藤井クリニックでは、鼻ニキビを含む個々の症状に合わせた効果的な治療法を提案しています。悩まずにご相談ください。

クリニック・医療機関でできるニキビの応急処置

一方で、ニキビでも医療機関を受診した方がいいケースもあります。

赤ニキビがさらに悪化して膿が溜まった「黄ニキビ」になってしまったり、ニキビが顔全体に広がってしまったり、ニキビそのものに痛みやかゆみがある場合は早めに医療機関を受診してください。

また、市販薬を使用し続けて1週間以上経っても改善が見られない場合は、ニキビと症状が似ている別の皮膚疾患の可能性もあります。ニキビだからとためらわないで、医療機関へ相談しましょう。

クリニック・医療機関で受けられるニキビ治療の例としては、下記が代表的です。

  • ケミカルピーリング
  • イオン導入
  • 美肌再生フラクショナルRF
  • ダーマペン
  • エレクトロポーション  ほか
内服薬、外用薬の処方などもありますが、カウンセリングを受けて最適な治療を受けるようにしましょう。

要注意!ニキビが悪化するケース

ニキビの悪化には次のような場合があります。

ニキビを自分の手で潰してしまう

「ニキビに触ってはいけない」という注意がある一方で、「ニキビを潰すと治りが早い」という説もあります。

これは皮膚科医が器具を使って皮脂を押し出す治療を見て、「ニキビを潰して皮脂や膿を押し出す」という誤った判断が広まってしまったためです。

もともとは専門の知識がある医師による、消毒された器具を使って行う治療です。素人がニキビを潰してしまうと、患部の傷を広げてかえって炎症を悪化させてしまう可能性もあります。

皮膚組織を傷つけてしまうと跡が残ってしまう場合もあります。ニキビは自己判断で潰さないようにしましょう。

薬も塗らずに放置する

触ってはいけないからと言って、完全に放置してしまうこともよくありません。

ニキビを潰したり、放置したりすると、毛穴の周りの皮膚組織も壊れてしまいます。これがニキビ跡と呼ばれるものです。

肌に赤みが残ってしまったり、一部が茶色くなってしまったり、肌がデコボコしてしまったりときれいではない見た目になってしまいます。

肌にニキビ跡を残さないためには、白ニキビ・黒ニキビの初期段階で治療することが重要です。早い段階で薬を塗って、炎症が起こらないうちに対処しましょう。

一日に何度も洗顔してしまう

他に、ニキビを悪化させる原因に「過剰な洗顔」も挙げられます。
肌を清潔に保つことは重要ですが、一日に何度も洗顔することで、同じだけニキビに触れてしまうためです。

また、洗顔した後の肌は乾燥しやすく、何度も洗顔すると肌がダメージを受けてしまうので、かえってニキビができやすい状態なってしまいます。

ニキビを悪化させないために、「自分の手で潰さない」「薬も塗らずに放置しない」「過剰に洗顔しない」この3点をらを心がけていきましょう。

ニキビができにくい肌にするために

ニキビができやすい人・そうでない人は、肌質、体質など個人によって異なります。

ニキビの基本的な予防法は「規則正しい生活習慣」と「日々のスキンケア」です。基本的なことではありますが、1つずつ確認しておきましょう。

<セルフケア>

ニキビができにくい肌にするためには、ニキビの3つの原因、毛穴の詰まり・アクネ菌の増殖・皮脂の過剰な分泌を防ぐことが重要です。

そのために、「規則正しい生活習慣」と「日々のスキンケア」で体内からバランスを整えていく必要があります。

  • 十分な睡眠をとること
  • ストレスをためないこと

上記はとても大切で、睡眠時間が不足していたり、体にストレスがかかったりすると、肌のターンオーバーの乱れからニキビの発生につながることがあります。 ターンオーバーを正常化することによって、毛穴の詰まりを減らすことができます。

また次のことにも気をつける必要があります。

  • お酒や脂っこいものは控える
  • バランスの良い食事をとる

糖分や油分を取りすぎると皮脂が過剰に分泌されてしまいます。とりすぎには注意しましょう。

また、脂質の代謝を促す栄養素・ビタミンB群やビタミンCが含まれる野菜や果物、納豆などを積極的に取り入れて栄養バランスのいい食事をとることで、ニキビ予防の効果が促進されます。

清潔な寝具を使うこと

直接的に、肌に雑菌をつけないことも大事です。清潔な寝具を使えば、雑菌の繁殖を防げます。

特に、就寝中に顔が触れやすいシーツや枕カバーはこまめに取り換えて清潔な状態を保ちましょう。

適度な洗顔・スキンケアを行うこと

先述した通り、過剰な洗顔はニキビができやすい肌になってしまうので逆効果です。

正しい洗顔とは、朝晩・1日2回、刺激の少ない洗顔料を選び、きめ細かい泡をしっかり泡立て、こすらないように顔全体を包み込んだ後、ぬるま湯できっちり洗い流すことです。

清潔なタオルで肌を抑えるようにして水分を拭き取り、最後は化粧水などでしっかりと肌を保湿しましょう。
「肌を清潔にすること」「保湿を十分に保つこと」が、日々のスキンケアにおける重要なポイントです。

<クリニックでできること>

セルフケアを続けてもニキビが治らなかったり、悪化したりする可能性は誰にでもあります。そんな時はクリニックや医療機関にご相談ください。適切な薬の処方だけでなく、肌の状態に合わせてスキンケア用品や専用機器による治療の提案もあります。

ニキビの治療で、クリニックや医療機関を受診する際に、皮膚科と美容皮膚科の選択肢があります。

皮膚科では、すでに発生してしまったニキビを含む皮膚疾患に対する治療が可能で、保険が適用されます。一方、美容皮膚科では、今あるニキビの治療だけでなく肌質改善などの根本治療も可能ですが、保険適用外のため皮膚科よりも料金がかかります。

初回の問診が無料のクリニックも多いので、今のニキビを治療したいのか、ニキビができやすい肌を改善したいのかなど、自身でもよく考えて受診先を選んでください。

一晩でニキビを治したい人への肌質改善や根本治療としては、次のような施術をおすすめします。

ケミカルピーリング

皮膚にピーリング剤を塗布し、古い角質を取り除く治療

イオン導入

水溶性の有効成分を電気分解し、微弱電流で皮膚に浸透させる治療

美肌再生フラクショナルRF

ラジオ波を点状に照射し、皮膚にあけた小さな穴から熱エネルギーを与えて肌の再生をする治療

ダーマペン

超極細針で肌に一時的に小さな穴をつくり、皮膚の回復力を向上させる治療

エレクトロポーション

電気の力によって、一時的に小さな隙間を作り、美容成分を肌に浸透させる治療

まとめ

今回は、ニキビの原因や対処法、ニキビになりにくい肌になるための方法などについてご紹介しました。

生まれてからニキビができたことがない人はほとんどいません。しかし、気になるからといって思わず潰してしまったり、ニキビに悩みながらも脂っこいものが止められなかったり、ニキビについて知らなかったこと・気付かなかったこともあったのではないでしょうか。

ニキビについて学んだことで、適切な処置や予防策についても正しく知ることができたなら、今後ニキビができてしまっても悪化させずに対処できるかもしれません。

まずは自分では決して触らず、薬を塗って、生活習慣を改めていきましょう。
それでもニキビが治らなかった、もしくは重症化してしまった場合は、クリニックや医療機関を受診してください。一人で悩まず、医師と共に解決しましょう。

  ダーマペン  

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この記事の監修者

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約40000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約15年間で70000例以上の実績を持つ。

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