公開日: 2024年11月18日
更新日: 2024年11月19日
皮膚科でのクマの治療は保険適用される?
目次
目の下のクマは、加齢や色素沈着などさまざまな原因によって引き起こされます。
老けた印象を与えないためになんとかしたいものの、「スキンケアしてもなくならない……」「治療するとなると費用が高そうだな」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、皮膚科でクマの治療を受ける際に保険適用されるのかどうかを、クマの予防法とともに紹介します。
明るく若々しい目元を保ちたい方は、参考になさってください。
クマの治療は保険適用されるのか?
皮膚科でクマの治療を受けた場合、基本的に保険適用されません。
クマの治療に限らず、美容を目的とした施術は保険適用外となるケースがほとんどです。
ただし、次の項で解説する基準を満たしていれば、クマの治療においても保険適用される場合があります。
さらに、初回限定の“トライアル価格”や、公式ホームページに症例の写真を掲載することを条件に適用される“モニター価格”などを提供している皮膚科も存在します。
初めてクマの治療を受ける方や、金銭的な負担を減らしたい方は、このようなキャンペーンを利用してみるのもよいでしょう。
クマの治療が保険適用になる基準
クマの治療においても、症状によっては保険適用で受けられる可能性があります。
【クマの治療が保険適用になる基準】
- クマによって視野が狭くなり、生活に支障をきたしている
- 症状に著しい左右差が認められる
- 下まぶたの垂れ下がりによって眼球が乾燥し、痛みを伴っている
上記のように、日常生活に支障が出るほどの症状がみられる場合は、クマの治療に保険が適用されるかもしれません。
とはいえ、個人で保険適用の可否を判断するのは不可能です。
思い当たる項目がある方は、まずは皮膚科を受診しましょう。
クマの種類
クマといっても、その種類は次の3つに分けられます。
それぞれの適切な治療方法を確認する前に、種類ごとの違いや生じる原因を押さえておきましょう。
黒クマ
目の下のくぼみや、目袋の突出によってできた影を黒クマといいます。
クマのなかではもっとも一般的なもので、睡眠不足やむくみ、加齢が主な原因です。
顔にあたる光の角度によって影の濃さが変わり、棒状のもので目の下を押したときに目立たなくなれば、黒クマである可能性が高いと考えられます。
30歳頃から目立ってくることが多いですが、頬が痩せている、または下まぶたの脂肪が多いと、より若いうちからできる場合もあります。
茶クマ
茶クマは、目の下の色素沈着やターンオーバーの乱れによるシミが原因でできるものです。
文字通り茶色くくすんだように見えるのが特徴で、一度できてしまうとセルフケアで改善するのは困難です。
目の下を強くこすったり、紫外線を浴びたりするとできやすくなるため、日常生活ではこれらの行動をとらないように心がけましょう。
紫クマ
目の下にある眼輪筋が透けて赤紫に見え、頬を下に引っ張ると色が薄くなるのが、紫クマです。
目の酷使や運動不足、水分補給の頻度が少ないことなどが主な原因であるため、心当たりのある方は注意してください。
また、目元の皮膚が薄くて血流が悪い方は、紫クマができやすい傾向にあります。
クマの種類ごとの治療方法
ご紹介した通りクマには種類があり、治療方法もそれぞれ異なります。
そのため、カウンセリングの段階で治療の方針を医師と話し合い、疑問があれば解消していくことが大切です 。
ここでは治療方法を種類別にお伝えしますので、一つずつ確認していきましょう。
黒クマの場合
黒クマの主な治療方法として有名なのは、“ヒアルロン酸注入”と“下眼瞼脱脂(かがんけんだっし)”です。
ヒアルロン酸を目の下に注入すると、影の原因となる凹凸やたるみに作用して、目元の印象を変えられます。
施術は一日で終了する場合が多く、身体への負担も少ないため、気軽に受けることができます。
また、下まぶたのふくらみを取り除く目的で行われるのが下眼瞼脱脂です。
まぶたの裏側からメスを入れますが、切開する範囲はごくわずかで、数週間ほどで傷口が自然治癒するケースがほとんどです。
そのため、ヒアルロン酸注入と同様に身体への負担が少ない施術だといえます。
ただし、内出血や腫れなどの副作用が表れる可能性がある点にはご注意ください。
ヒアルロン酸注入や下眼瞼脱脂は、身体への負担が少なく、比較的気軽に受けられる反面、不慣れな医師による施術で満足できない結果になってしまうケースも増えています。
施術を受ける際は、確かな治療の実績があるクリニックを選びたいところです。
茶クマの場合
茶クマには、“Qスイッチヤグレーザー”での治療が効果的です。
Qスイッチヤグレーザーとは、特殊なレーザーを照射して、色素沈着の原因であるメラニンを分解する機器のことです。
分解されたメラニンは徐々に体外へ排出され、4週間ほどで茶クマが目立たなくなります。
レーザーの照射後には、内服薬や外用薬が処方されることもあります。
どちらもメラニンの排出促進や生成を抑制する効果があり、茶クマの再発を防ぐ目的で処方されるものです。
紫クマの場合
紫クマでお悩みの方も、ヒアルロン酸注入によって目の下に適度な厚みを持たせることで、印象を変えることができます。
下まぶたの厚みがあり過ぎて紫クマが目立っているようであれば、黒クマと同じく下眼瞼脱脂が行われる場合もあります。
クマの治療の費用相場
クマの治療にかかる費用相場は、以下の通りです。
【クマの治療の費用相場】
ヒアルロン酸注入 |
1万~10万円程度 |
下眼瞼脱脂 |
20万~30万円程度 |
Qスイッチヤグレーザー |
5,000~5万円程度 |
自由診療であるゆえに、同じ治療方法でも施術する部位や注入・照射の範囲、施術を受ける皮膚科などによって費用は変わります。
高い費用対効果を得るためにも、次の項で紹介するポイントを意識して皮膚科を選んでみてください。
クマの治療で失敗しないためのポイント
ここでは、クマの治療を受けるにあたって、失敗しないために知っておきたい3つのポイントを紹介します。
思い通りの結果を得られずに後悔しないよう、すべて押さえておきましょう。
ポイント①クマの治療の実績がある皮膚科を選ぶ
クマの治療を受ける皮膚科を選ぶ際は、公式ホームページやSNSなどで実績を確認しておくのがおすすめです。
多くの実績がある皮膚科であれば、症状や体質に考慮した適切な治療を受けられるでしょう。
逆に黒クマの治療方法の項でもふれたように、その施術に不慣れな医師が担当すると、満足のいく結果にならないおそれがあります。
高い費用対効果を得るためには、事前の確認が重要なのです。
また、公式ホームページやSNSに症例の写真が掲載されている場合は、こちらもあわせて確認しておきたいところです。
クマの治療の仕上がりは、担当する医師の技量や美的センスに少なからず影響されます。
掲載されている症例がご自身の好みに近いものであれば、イメージ通りに治療してもらえる可能性が高くなります。
ポイント②医師とよく話し合う
クマの治療の方針やアフターフォローについては、医師と納得がいくまで話し合ってください。
個人差はあるものの、クマの治療は施術の種類にかかわらず痛みが少なく、ダウンタイムもそれほど長くない傾向にあります。
とはいえ、術後に副作用が表れる可能性がある点には留意しなければなりません。
医師と入念な話し合いを行っていれば、肌質や症状に適した、身体への負担が少ない治療方法を提案してもらえるはずです。
くわえて、手厚いアフターフォローがあれば、万が一副作用が表れてしまっても安心です。
治療を受けて後悔するリスクを少しでも減らすために、疑問や不安は事前に解消しておくことをおすすめします。
ポイント③余計な施術を受けないことを心がける
クマを治療するにあたって、必要以上の施術は受けないように心がけましょう。
下まぶたのふくらみを取り除く下眼瞼脱脂を例にとると、この施術と同時に“脂肪注入”を勧められる場合があります。
これには余分に取り除かれた脂肪を補うという意図がありますが、そもそも適量のみを摘出していれば不要な施術です。
余計な費用がかかるうえ、身体的な負担も増えてしまいます。
しかし、実際に医師から追加の施術を提案されると、要不要の判断がつかずに受け入れてしまう方が多いものです。
そのため、ご自身にとって必要な施術が何なのかを、一度冷静になって考えることが大切です。
判断が難しければ、複数の皮膚科に相談したうえで、どの施術を受けるのかを決めるのもよいでしょう。
クマの予防法
クマは、正しく対策すればある程度予防することができます。
以下で5つの予防法を紹介するので、参考になさってください。
目の周りを清潔にする
目の周りを清潔に保つことで、茶クマができるのを抑制できます。
茶クマができる主な原因は前述の通り、目の下の色素沈着やターンオーバーの乱れです。
目を汚れた手で強くこすったり、付着した細菌を放置したりすると、皮膚炎に伴う色素沈着が起こりやすくなります。
アトピー性皮膚炎や花粉症がある方は、上記の行動をとってしまいがちなため、特に注意が必要です。
また、ファンデーションやコンシーラーを厚く塗ることで、茶クマを無理やり隠すのも好ましくありません。
目の周りの皮膚に負担がかかり、清潔に保つのが難しくなるうえ、茶クマができてもすぐに気づけないおそれがあるからです。
無理に隠そうとするのではなく、正しいスキンケアで色素沈着を抑制し、身体の内側から美しくなれるように心がけてみてください。
禁煙する
禁煙は、紫クマを予防する手段の一つです。
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させて、血流を悪くする作用があります。
これによって目の周りの血流が滞ることは、うっ血を引き起こし、紫クマを生じさせる原因になります。
くわえて、タバコの有害物質を体外に排出するには、ビタミンCが必要です。
ビタミンCは点滴や注射で身体に投与する場合もあるほど、健康から美容まで幅広い効果が期待できます。
そんなビタミンCが有害物質の排出のために使われてしまうと、シワやたるみの防止に必要なぶんが不足して、肌の弾力が失われます。
このように、喫煙は紫クマを含むさまざまな肌のお悩みを引き起こすため、極力控えましょう。
塩分の多い食事を控える
黒クマや紫クマが目立つ方は、塩分の摂取量を抑えてみてください。
塩分のとり過ぎで下まぶたにむくみが生じれば、その突出した部分が影をつくり、黒クマを目立たせます。
さらに、塩分には血管を収縮させる作用もあるので、紫クマの原因にもなりえます。
2種類のクマに悩まされないために、塩分のとり過ぎには気をつけたいところです。
また、塩分をとり過ぎてしまった翌日に、むくみを解消する効果が期待できる食材を食べるのもおすすめです。
具体例としてはフルーツや海藻類、イモ類などが挙げられ、これらに含まれるカリウムが、とり過ぎた塩分を体外に排出するのを助けてくれます。
飲酒を控える
過度な飲酒も、黒クマや紫クマの原因になるとされています。
お酒には塩分と同じように、むくみを生じさせたり、血流を滞らせたりする作用があります。
さらに、お酒を飲んでいると、つい塩分量の多いおつまみを同時に食べてしまうものです。
お酒と塩分の相乗効果でクマを悪化させないように、過度な飲酒は控えたほうがよいといえます。
とはいえ、飲酒が習慣になっており、完全にはやめられないという方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は休肝日を設けつつ、一度に飲むお酒の量を減らしたうえで塩分量が控えめなおつまみを選ぶと、クマができるのをある程度予防できます。
適度に運動する
黒クマと紫クマを予防する方法としては、運動習慣を身につけることも挙げられます。
適度な運動は、血流を促進させる効果があります。
さらに運動で汗をかけば、体内にある余剰な塩分が排出されるため、むくみを解消することも可能です。
数分間のウォーキングやジョギングなど、ご自身に無理のない範囲からでよいので、適度な運動を始めてみてはいかがでしょうか。
ただし、運動時の紫外線対策は怠らないように注意してください。
外で運動する際に紫外線対策をしなければ、目元の色素沈着が引き起こされ、茶クマができてしまうおそれがあるからです。
日焼け止めを塗るのはもちろん、帽子やサングラスを着用して対策しましょう。
関連記事:透明感のある素肌は目指せる!くすみを改善してうるおいを!梅田・神戸で人気の美容クリニック医師が解説!
皮膚科でのクマの治療は基本的に保険適用外だが、症状によっては適用される場合もある
今回は、皮膚科でクマの治療を受ける際に保険適用されるのかどうかを、クマの予防法とともに紹介しました。
美容を目的としたクマの治療は保険適用されませんが、生活に著しく支障をきたすような症状が認められれば、適用される場合もあります。
保険適用の可否は個人では判断できないため、まずは医師に相談してみるのがよいでしょう。
また、本記事で紹介した予防法を参考に日頃からクマを対策することも大切です。
藤井クリニックでは、様々なメニューを用意しております。
保険適用外のクマの治療もご案内させていただきますので、ぜひ一度お問い合わせください。